社員食堂が従業員にもたらす効果とは?
2024.03.19
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社員食堂は、社内で働く社員のために企業が運営する給食施設のことで、近くに飲食店やコンビニエンスストアがなかったり、出退勤時刻以外の社員の出入りにセキュリティ面でリスクがある場合などに設置するケースが多いです。単なる食事場所としてではなく、社員の健康やコミュニケーションをサポートし、業務の効率化にも役立ちます。企業は競争力を高めるため福利厚生施策を展開している中で、最近は社員食堂が重要な役割を果たしています。福利厚生の最前線として進化を遂げているのです。本記事では、企業の社員食堂が果たす役割と、重要性やメリットなど最前線をご紹介します。
目次
社員食堂の役割の変化
現在日本では、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、仕事とライフワークの両立といった働き手のニーズの多様化の状況に直面し、社員が元気に生き生きと働くための環境づくりに多くの企業が取り組んでいます。社員に持てる力を仕事で発揮してもらうためには、まず健康であることが第一です。健康経営を推進するために、企業が積極的に関わることの出来る施策の1つが食事であり、昔からある福利厚生が、勤務する従業員向けの食事補助、社員食堂です。以前の社員食堂は、会社の周辺に飲食店が少なかったり、セキュリティの観点で、出社から退社まで外出できない企業の施設内に設置されるケースが大半でした。そのため、社員食堂は食を楽しむというよりも、お腹を満たすことが重要視されている側面がありました。しかし近年では、企業文化や従業員の生活における重要な要素として、改めて見直されるようになってきており、福利厚生の中心的な役割を果たしています。健康促進やリフレッシュ、チームビルディング、企業文化のアピールなど、様々な面で従業員の生活と働きやすさに影響を与えています。そのメニューも、有名飲食店がメニューの開発や調理を手がけたり、健康食や低カロリー食に特化したメニューが選べたりといった特色ある社員食堂が増えていて、大手企業では採用活動や従業員のエンゲージメントを向上させる施策としても活用されています。ここでは変化しつつある社員食堂のメリットについてご紹介していきます。
・従業員満足度向上
近くに飲食店やコンビニエンスストアがなくても、社員食堂があれば食事ができます。就業中、従業員が食事のために外食する必要がなければ、休憩時間の有効活用にもつながるでしょう。社員食堂がない場合、弁当を持参するか、休憩時間内に移動を含めた食事を済ませる必要があります。お弁当の準備には時間がかかりますし、外食するにしても、待ち時間と食事だけで休憩時間が終了したりするケースも珍しくありません。昼休憩が不十分では午後のパフォーマンスにも影響が及ぶこともあるでしょう。社員食堂があれば、従業員は時間に余裕を持って食事と休息が取れます。午後のパフォーマンスの質が安定するため、企業にとっては生産性向上につながるメリットも期待できます。労働環境を整え、社員の仕事に対する意識を高めることは、企業を育てていく上でも必要です。
・社内コミュニケーションの活性化
社員食堂では、社員同士のコミュニケーションが活性化しやすくなります。仕事中にはなかなか話せない他の部署の人や先輩ともコミュニケーションがとれるチャンスが生まれます。食事や休憩をしながらリラックスしてコミュニケーションを取れば、社内の人間関係も良好になるでしょう。またコミュニケーションの機会が増えるため、新たな企画や業務進行のアイデアが生まれるかもしれません。定期的なテーマランチやイベント、ワークショップなども開催され、社内の結束やチームビルディングのように、社員食堂には新しい情報に出会えるメリットもあるのです。また、昼食時だけでなく、コーヒーブレイクの間に同僚との会話やアイデアの共有が行われ、チームの連帯感や協力関係を促進し、従業員同士のコミュニケーションや交流の場としても機能します。
・社員の健康増進
社員食堂がある企業では、毎日社食を利用している社員も多いのではないでしょうか。社員食堂は低コストで気軽に食事ができる場所というだけではなく、食事を通じて社員を健康にすることも目的となっています。最近は食生活の乱れから生活習慣病になる人も増えてきており、その重要性はますます大きくなっています。社員食堂では、栄養士が提案したバランスの良い温かい食事で健康管理や規則正しい生活を送れるようサポートできれば、従業員の健康維持にもつながります。従業員の身体や心の不調は、本人だけでなく組織全体にも悪影響を与えて生産性を落とします。心身の不調が原因となる突然の離職は、組織にさらなる生産性低下をもたらします。社員食堂の設置は、心身ともに健康で個々の能力を十分に発揮できる生産性の高い組織作りにも有効なのです。
・低価格で満足の食事を提供
昨今のインフレにより、物価と国民の収入の上昇幅には差があり、従業員の切実な声が高まっています。企業が代金の一部を負担して安価に食べられる社員食堂は、従業員の生活を実質的に支える施策です。食費は家計を圧迫する要因であり、社員食堂をはじめとした社食サービスが従業員の経済的負担や不安を緩和させます。低価格とは言え、毎日の食事に飽きないよう企業も工夫を凝らし、季節のメニューや日替わりメニューなどを揃え、なるべくたくさんの社員が社食を利用してくれるよう考えています。最近では健康意識の高まりに応えて、低カロリーやベジタリアンオプションの提供、栄養バランスに配慮した食事の提供や、アジア料理、地中海料理などの国際的な料理を提供することも一般的になっています。企業によっては、社員食堂のメニュー作りに栄養士を参加させたり、健康食にまつわる事業者と提携したりして、栄養バランスや健康食に留意した社員食堂も存在します。社食で提供される温かく健康的な食事は、ただの食事以上の大きな価値があるものといえそうです。
・企業イメージアップと優秀な人材の獲得
就職や転職において、職務内容、労働条件とともにユニークな福利厚生制度や、手厚い制度を導入すれば、採用活動におけるアドバンテージにもなり得ます。福利厚生が充実しているということは、安定した経営基盤があってこそなので、社会的な信頼にもつながります。また、健康経営の実践、従業員重視の経営、人材育成力などは、経営として社会へのアピールにもなります。このように、従業員を大事にする福利厚生の充実は、企業の信頼性の向上にも繋がるのです。社員食堂がある企業は、福利厚生が良い、職場環境に恵まれている、社員を大切にするといった企業イメージがつき、応募者が増えるため、優秀な人材の確保も期待できるでしょう。最近ではメニューを公開したり、市販の食品とコラボしたりと、社員食堂の存在をイメージアップに有効活用する企業もあります。
社員食堂の運営で気をつけるべきこと
・社員のニーズに合わせた営業
社員食堂を導入する際には、社員のニーズやメリットを考えて、何をどのように提供するのかをしっかり検討することが重要です。例えば、同じメニューばかりだと飽きてしまうので、日替わりメニューなど種類を多彩にすることで飽きない工夫をすることが必要ですし、社員にアンケート調査を行うなど、現場の声を拾うことも大切です。また、社員の働き方を考慮して、営業時間や座席数、価格設定など、どういった設計にすれば社員にとってメリットとなるのかを考えた上で社員食堂の形態を決定するようにしていきましょう。
・栄養バランスと健康面への気遣い
社員食堂の導入は、社員の生産性を目的としている部分もあるので、野菜やフルーツ、旬の食材など、健康面でメリットのあるメニューを提供することをおすすめします。栄養バランスの取れた食事を提供してくれる社食は、社員にとっても嬉しいですし、健康に配慮した社員食堂メニューは、世の中からも注目される傾向にありますので、人材獲得や社員満足度の観点からも大きなメリットとなるのです。
・利用しやすい料金設定
社員食堂には初期費用や月額費用、運用費用や人件費などさまざまなコストがかかります。
まずは月々にどのくらいの費用がかかるのか、詳細に予測を立てる必要があります。企業負担額と社員負担額を計算し、社員が毎日利用するメリットがあるような料金設定にすることが必要です。価格が高すぎれば利用者は減少してしまいますし、安すぎると赤字経営になってしまいます。企業にとっても社員にとっても社食がメリットになるためには、料金設定は非常に大事な要素となってきます。
・セルフレジの導入
社員食堂は、ランチタイムのみの営業時間に限られる場合が多いです。昼休みは12時から始まるのが普通なので、ランチタイムはどうしても混雑します。せっかくの社員食堂なのに、いつも大混雑しているというイメージになってしまうと、社員から敬遠されてしまうかも知れません。社食が混雑する理由は、レジで現金対応などのアナログさにあるようです。こうした状況を避けるため、最近の社員食堂ではテクノロジーの活用が進んでいます。セルフレジやオーダーキオスクが導入することによって、従業員はスムーズに食事を注文し、会計処理を行うことができます。社員は待ち時間を減らして食事に充てる時間を増やすことができるようになります。もちろん、人件費の削減や精算の自動化により、運営コストを削減する効果もあります。また、セルジレジでは社員が自身で注文を行うため、スタッフが注文を間違えてしまうことを避けることもできます。セルフレジであれば、注文を取り間違えるといったことは起こりませんし、会計時に釣銭や預り金を間違えるということもありません。また、券売機の導入は衛生面のリスクを軽減する効果もあります。スタッフと社員との直接的なコミュニケーションを減らすことができ、感染症のリスクを低減する効果もあるでしょう。社員が自分で注文と支払いを行うことで、スタッフが現金を直接扱わなくて済むようになります。このように、券売機は衛生面を改善させて飲食店の業務プロセスをスムーズにし、社員満足度の向上にもつながるのです。
まとめ
社員食堂は従業員が昼食のために高い食費を払ったり、食事のために手間と時間をかけたりする負担を軽くできる素晴らしい福利厚生です。昨今のインフレを顧みても、企業は従業員の仕事中の食事に対して、施策を打つことが必要かもしれません。従業員が食費を切り詰めることになると、健康や生産性に悪影響があったり、従業員の心が離れたり、人材確保施策の大きな課題になったりする恐れがあるのです。
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