目次
はじめに
物価が上がり続ける今の日本で、小売業界や飲食業界は経営努力を重ねて日々進化しています。経営者は常日頃から、効率化と顧客満足度のさらなる向上が求められています。特に、注文や会計業務の効率化は直接的に労力削減につながるため、業績向上に向けた大きな要因となり得ます。その解決策の1つとして、券売機の設置が今スポットライトを浴びています。券売機とは、いわゆるセルフレジ、無人レジの一種です。本記事では、進化を続ける券売機のメリットや、選ぶ際のポイントについてご紹介いたします。
券売機の設置が向いているのはどんな業態?
券売機が最も効果を発揮するのは、ラーメン屋や牛丼屋などのファストフード型の飲食店です。こういう業態では、客の滞在時間が短く、多くの人に迅速に対応して回転数を上げることが求められるため、券売機は非常に大きな効果を発揮します。券売機を設置することにより、注文から会計までのプロセスをスピーディにでき、テーブル回転率を上げることが可能となります。特に小規模な飲食店は、少ない人数で経営しています。券売機を導入すると客自身が注文と会計を行うため、人員を配置する必要がなくなり、人件費の節約だけでなくスタッフの労働負担を軽減し、サービスの品質向上に集中することが可能となります。こうしたプロセスの簡素化や人員配置の課題に、券売機は大きなメリットをもたらしてくれます。
また、その他には、1000円カット店、公共施設、電車の乗車券、など多数の業態で設置されています。
券売機の設置に向いてない業態
券売機はメリットが非常に多いですが、逆に券売機の設置に適していない業種もあります。例えば、回転率が低くて、レジ対応に割かれる時間が多くない飲食店では、券売機は店舗の雰囲気を損ねてしまいます。券売機を設置するということは、回転率アップが目的となるので、食事をするだけの場所という印象を与えてしまうからです。お客さんとの接客を重要視している業種に適さないのは、直接スタッフがお客さんに対応することで、よりパーソナライズされた満足度の高いサービスを提供することが求められている業態だからです。券売機を導入する際は、各店舗の特性やニーズを十分に考慮したうえで、業務効率化を図るツールとして導入しましょう。
券売機を導入するメリット
・人件費の削減になる
セルフレジを導入すると、従来のようにレジ業務に多くの従業員を配置しなくて済むので、経営から見ると、これは大きな経費削減になります。スーパーなどでは、レジの扱いに不慣れな顧客をサポートする1人の従業員が複数のセルフレジを担当するだけで問題ありません。小売業界や飲食業界は、慢性的な人手不足に悩まされています。特に小規模店舗は、現状の人員のままで人手不足の問題を解消できるというメリットがあります。
・領収書も自動で発行できる
小売店や飲食店で、領収書の発行が求められるケースがありますが、意外とスタッフの時間と手間が取られるものです。こうした際も、券売機に領収書ボタンを設けておけば、機械が自動で領収書を発行するので、スタッフがわざわざ手書き領収書を書いて時間を割く手間がかかりません。
・メニューの変更が簡単
新メニューを作った際や、これまであったメニューがなくなったりする場合、従来であれば物理的なメニューの変更が必要でした。しかし、券売機を導入すれば、メニュー変更も簡単に出来ます。ただし、タッチパネル式の券売機の場合、メニュー変更の際はパソコンの操作や画像編集の知識が必要で、場合によってはメーカーに依頼する必要があるのに比べ、ボタン式では、リモコンで金額の変更や文字の修正が比較的かんたんに出来るというメリットがあります。
・接客業務の効率化
これまでは、会計にかなりスタッフの時間が割かれていましたが、券売機を導入すれば、レジ業務を代行してくれます。スタッフが厨房の仕事に集中できるため、効率性の向上が期待できます。飲食店は、人員不足に悩んでいる経営者も少なくなく、人手が足りずに接客ができなかったり、忙しすぎてサービスの品質が低下してしまうといった問題は深刻です。券売機の導入を行えば、お客さんが自分で注文と会計を行うため、スタッフの負担が減り、顧客満足度の向上も期待できます。
・金銭管理が自動で出来る
これまでは、閉店後の集計時に金銭が合わないこともあったと思いますが、つり銭や売上げが合わないといったことも無くなります。締め処理時間の大幅な短縮になり、その日の売り上げの集計や、長期間の売上データも保存できるので、税務対策にも時間を取られることがなくなります。売上データの正確な集計が可能で、時間帯やメニューごと、グループ分けなど、お店の用途に合わせて細かく集計でき、店舗の経営戦略にも役立ちます。毎日の売上管理を自動券売機内にデータとして格納していますので、それをLan回線やUSBメモリーなどで吸い上げてパソコンなどに移動すれば、月刊売上や週刊売上、時間帯別売上や利益率に至るまで閲覧可能で、ソフトウエアさえ導入すれば、さらに高度な管理も可能となります。
・キャッシュレス決済に対応出来る
近年のキャッシュレス決済の普及により、現金を持ち歩かない人が増えています。券売機を導入するのであれば、クレジットカードや電子マネー、バーコード決済などのキャッシュレス決済に対応している機種が必須です。クレジットカードやキャッシュレス決済は非常に多くの種類がありますので、店舗側は幅広いブランドの決済方法に対応できるよう配慮する必要があるのです。できるだけ多くの決済方法に対応した券売機を導入して、お客様のニーズに応えましょう。
・オーダーミスがなくなる
券売機の導入で、注文ミスの発生を大幅に抑えられる点もメリットの1つです。券売機であれば、お客さん自身が購入するため、伝え間違いや聞き間違いがなく、注文ミスによる無駄がなくなります。スタッフがオーダーを取る場合、端末の操作に不慣れであったり、伝票を書き間違えたり、オーダーを聞き間違えたりと注文を取る際のミスは100%防げるものではありません。特にランチタイムや忙しい日などは、混雑からミスも発生しやすくなるでしょう。こうした注文ミスが起こると、お客さんに迷惑がかかり、お店のイメージを悪くしてしまい、食品のロスも発生します。券売機は注文スタッフが注文を取り間違えるといったことは起こりませんし、会計時に釣銭や預り金を間違えるということもありません。また、注文によるトラブルという観点では、券売機は前払いで食券を購入するので、注文と支払いを同時に行うことで、食い逃げの防止にもつながります。さらに悪意を持った従業員による現金の着服防止効果も見逃せません。内部の犯行で現金が紛失してしまったり、盗難に遭ってしまったりという事件は意外と多いものです。セキュリティの観点でも、現金を扱わない券売機は効果があるのです。
・衛生面のリスクを軽減できる
券売機の導入は、衛生面のリスクを軽減する効果もあります。スタッフとお客さんとの直接的なコミュニケーションを減らすことができ、感染症のリスクを低減する効果もあるでしょう。お客さんが自分で注文と支払いを行うことで、スタッフが現金を直接扱わなくて済むようになります。これまで、スタッフが現金に触れる場合は、毎回消毒をする必要がありましたが、券売機の導入によってこれらの手間を省くことができ、スタッフはほかの業務に集中することが出来るようになります。このように、券売機は衛生面を改善させて飲食店の業務プロセスをスムーズにし、顧客満足度の向上にもつながるのです。
・訪日外国人にも対応出来る
コロナパンデミックの終了と共に、訪日外国人観光客がどんどん増えています。券売機と言うとボタン式で食券を発行するだけの機械というイメージがありますが、最近の券売機は多言語対応で外国人客にも対応できて、外国語の音声ガイダンス機能を搭載しているものもあります。これまで飲食店側では英語が出来るスタッフを採用したりして、外国人客に対応してきましたが、こうした苦労も必要なくなります。インバウンドが年々伸びていく中、こうした新機能は店舗にとっては大変強力な武器となっています。
・防犯対策
券売機の強みとして、大型の金属ボディは頑丈で防犯対策にもなっているのです。多少の衝撃では壊すことはできませんし、システムキーを店の管理者の方だけが持っていれば、不正対策にも効果があると言えます。なかなか表には出てきませんが、意外とスタッフによる金銭関連の不正は多いものです。券売機であれば、スタッフが直接現金を扱うことがなくなるので、そういった不正対策にも一役買う形になります。
まとめ
券売機は、食券や切符、チケットなどの購入と発券を行う機械で、あらかじめ登録されているメニューに基づいて、利用者が選択し現金や電子マネー、クレジットカードなどで決済すると、発券される仕組みです。今の時代の券売機はさらに進化を遂げており、さまざまな便利な機能も搭載されたものが増えています。これまでの券売機では、食券を発行されたら、それを受付や厨房のスタッフに渡し、スタッフがそれを確認して調理に入るといった流れでした。しかし最近の券売機は単独で存在するのではなく、オンラインでスタッフや厨房とダイレクトにつながります。メニューを選択して決済を済ませた時点で、自動的にオーダーが内部に届くので、食券を渡すだけですぐに料理が提供されるなど、スピードアップが図れるようになっています。券売機は省スペースでスタイリッシュなものも増えたため、店舗の雰囲気に合った製品を選びやすくなっています。このようにメリットの多い券売機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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