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【業種別】小売業の課題と現状|5つの解決策を詳しく解説

こんにちは。無人決済店舗システムを提供しているTOUCH TO GO 編集部です。

人手不足やコスト増、消費者ニーズの多様化など、小売業界は今さまざまな課題に直面しています。

業種によって直面する悩みは異なりますが、共通して求められている課題もあり、業種特有の事情も踏まえながら解決を目指すことが大切です。

本記事では、業種別の小売業の現状と課題を解説します。さらに、課題への具体的な解決策も紹介しています。

店舗運営の改善や業務効率化を検討中の企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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小売業界の現状

経済産業省が公表した「商業動態統計速報」によると、2024年の商業販売額は613兆900億円(前年同月比+3.2%)となり、堅調な回復傾向が見られました。

なかでも、卸売業は445兆9,380億円で前年同期比3.5%増加し、7割を占めています。また、残りの約3割を占める小売業は167兆1,530億円で2.5%の増加となりました。

業種別の動向としては、「飲食料品小売業」や「衣料品・化粧品小売業」が増加し、反対に「自動車小売業」や「織物・衣服・身の回り品小売業」が減少しています。

なかでも、「飲食料品小売業」は2021年11月以降32ヶ月連続で価格要因が上昇していますが、その理由は物価高が影響していると考えられています。

一方、販売額の減少が大きい「自動車小売業」は、2023年の部品不足での供給制約の解消を受け回復傾向にありましたが、回復の勢いは弱く数量要因により減少という結果になりました。

ただ、価格上昇の影響やインバウンド需要回復などの影響から、2024年上半期の小売業全体をみると販売額は増加しています。

(出典)

2024年上期小売業販売を振り返る
2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売


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小売業の将来性と2030年問題への備え

小売業界は今後も重要な社会インフラとしての役割を果たす一方で、2030年に向けて避けられない大きな変化と向き合う必要があります。

特に「人口減少」や「高齢化」「地方の経済縮小」といった構造的な問題は、店舗のあり方や事業モデルそのものに見直しを迫っています。

ここでは、今後想定される課題と、そうした変化に対応するために求められる視点を紹介します。

人口減少・少子高齢化による市場縮小

画像出典:我が国の人口について|厚生労働省

日本の総人口はすでに減少フェーズに入り、2030年には高齢化率が30%を超えると見込まれており、消費の主力層が変化することは確実です。

こうした社会構造の変化により消費全体のボリュームは縮小し、従来の大量販売モデルは通用しにくくなっています。

地方経済の停滞と店舗存続の課題

人口減少の影響は、特に地方において深刻です。自治体の統廃合や交通インフラの縮小が進み生活圏が狭まりつつある中で、地域の小売店は採算が取りにくい状況に直面しています。

また、買い物弱者の増加も課題です。高齢化が進む地域では、日常の買い物すら困難な「買い物難民」が増加しており、これにどう対応するかが小売業の社会的役割として問われています。

移動販売や無人店舗、デリバリーサービスなどを柔軟に取り入れ、地域ニーズに合わせた運営体制の構築が不可欠です。

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今後の成長領域と新たな業態の可能性

一方で、小売業には今後も伸びしろのある分野が存在します。

たとえば、以下のような消費者の価値観に寄り添った業態は、支持を集めやすい傾向にあります。

  • 健康志向・サステナブル志向に応える商品
  • ライフスタイル提案型の専門店
  • デジタルと融合した体験型店舗

また、ECとの連携を前提とした“オムニチャネル型”の運営や、スマートレジ・AI活用による業務効率化なども、次世代の店舗づくりには欠かせません。

小売業全体が直面する課題

小売業は業種や規模を問わず、共通の構造的な課題に直面しています。

市場や顧客の変化に柔軟に対応する一方で、人材や業務面での負担も大きくなっており、抜本的な見直しを求められる局面が増えています。

ここでは、小売業全体に共通する代表的な課題を3つ紹介します。

消費者ニーズの多様化

ライフスタイルの変化や価値観の多様化により、消費者が求める商品やサービスは年々幅広くなっています。

これまでの「大量に仕入れて効率よく売る」モデルでは対応が難しくなっており、個別ニーズへの対応力が店舗運営の差別化要素になりつつあります。

さらに、購買チャネルもEC・実店舗・SNS経由など多様化しており、顧客接点の最適化が重要なテーマとなっています。

慢性的な人手不足

少子高齢化の進行や採用競争の激化により、小売業界では慢性的な人手不足が続いています。

特に店舗スタッフや物流、品出し、レジ業務などの現場作業を担う人材の確保が難しく、従業員一人あたりの業務負担が増えています。

その結果、サービス品質の維持や営業時間の確保が困難になり、生産性や顧客満足度の低下を招くケースもあります。

実店舗のショールーム化

近年では「実店舗で商品を確認し、購入はECで行う」という購買行動が一般化しつつあります。

このいわゆる“ショールーミング化”によって実店舗の売上がECに流れる現象が生じており、店舗運営の収益モデルが揺らいでいます。

実店舗の価値を再定義し、購買体験や即時性、接客の質などで付加価値を提供する工夫が求められています。

ECシフトと実店舗の来店数減少

スマートフォンや高速通信の普及により、消費者の購買行動は実店舗からECへと大きくシフトしています。

とくに比較検討がしやすく、時間を問わず購入できるオンラインショッピングは、多忙な生活を送る層や地方在住者を中心に利用が広がっています。

この傾向は、来店客数の減少というかたちで実店舗に影響を及ぼしており、従来のように「立地の良さ」に頼る集客モデルが通用しにくくなっています。

小売業には、リアルの接点に独自の価値を持たせる工夫や、オンラインとの連携を前提とした戦略が求められています。

人件費・固定費の増加

最低賃金の上昇や労働人口の減少により、小売業では人件費の負担が年々大きくなっています。

特に中小規模の店舗では、売上が伸び悩む一方で人件費・電気代・賃料などの固定費が増加し、経営を圧迫する要因となっています。

このような状況下では、人手を前提とした業務フローを見直し、限られた人材でも効率よく回せる運営体制の構築が急務です。

セルフレジや無人店舗といった省力化技術の導入が進んでいるのも、こうした固定費の圧縮ニーズと直結しています。

物流とサプライチェーンの課題

商品の流通を支える物流分野も、近年ではさまざまな課題を抱えています。

なかでも以下のような要因は、小売業にとって仕入れコストや納品遅延などのリスクにつながります。

  • 燃料費の高騰
  • ドライバー不足
  • 配送コストの増加

また、地方や離島など配送効率が悪い地域では、物流網の維持そのものが難しくなっており、品揃えや在庫管理にも影響を及ぼしています。

サプライチェーンの最適化やAIを活用した需要予測・在庫管理、共同配送といった取り組みが、今後の持続的成長を支えるカギとなるでしょう。

【業種別】小売業の課題と現状

ここでは、小売業を代表する6つの業種について、経済産業省のデータをもとに現状と課題を紹介します。

スーパー

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

スーパーマーケットの販売額は16兆530億円で前年同期比+2.6%と堅調ですが、食料品価格の上昇による単価増が主な要因と見られています。

主力商品である「飲食料品」や化粧品、医薬品などが好調で3年連続の増加。

食料品の価格競争が激化する中、業務効率化と人手不足への対応が大きな課題です。また、消費者の節約志向が強まる中で、地域密着型の品揃えやサービス提供が求められています。

近年ではセルフレジや無人化技術の導入が進みつつありますが、店舗オペレーションとのバランスが課題となっています。

コンビニエンスストア

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

コンビニエンスストアの販売額は12兆8,887億円で前年同期比+1.2%でした。

一店舗あたりの販売額は4年連続での増加となりますが、店舗数はわずかに減少。

訪日外国人や物価高騰による生活防衛意識の高まりを受けた品揃えが、販売額増加の要因となっています。

その一方で、人手不足や店舗運営の属人化といった課題が慢性化しており、オーナー支援や省力化技術の導入が不可欠です。

スーパー同様、無人店舗やセミセルフレジの導入が加速しており、効率性と顧客体験の両立が求められています。

百貨店

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

2024年上半期における百貨店の販売額は、6兆3,282億円で前年同期比+6.3%と好調を維持しています。

商品別では、化粧品や宝飾品など「その他の商品」や「身の回り品」等が好調で、4年連続の増加。その一方で「飲食料品」等が減少という結果になりました。

インバウンド需要の回復や高額商品の販売増が追い風となりましたが、その一方で「顧客層の高齢化」や「店舗の老朽化」、「人件費の増加」といった構造的課題も抱えています。

地方では閉店を迫れる百貨店も増えており、都心部に比べて再構築が難しい状況です。今後は、リアルとデジタルを組み合わせた販売体制の構築がカギとなるでしょう。

家電大型専門店

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

家電大型専門店は、販売額4兆7,288億円の前年同期比+2.1%と好調な伸びを示しています。特にエアコン・冷蔵庫・洗濯機などの生活家電のほか、住宅設備家電を含む「その他」等の販売額も増加しました。

一方で、家電製品はオンラインとの価格競争が激しく、実店舗の役割が問われています。

店舗での体験価値や即時性、専門スタッフによる接客といった“リアルの強み”をどう活かすかが売上アップのカギとなります。

ドラッグストア

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

ドラッグストアの販売額は8兆9,199億円、前年同期比+6.9%と高い成長率を維持しています。

商品別では、食品や化粧品・小物などのビューティケア等の販売額が増加。一方でヘルスケア用品・介護・ベビー等の販売額は減少しました。

店舗数は前年比3.3%増加していますが、競合の増加と利益率の低下、物流コストの上昇が課題となっており、店舗によるサービス品質のばらつきや、過剰在庫のリスクも無視できません。

ホームセンター

画像出典:2024年小売業販売を振り返る;4年連続の増加となった小売業販売

ホームセンターの販売額は3兆3,988億円で、前年同期比+1.7%とやや控えめな伸びにとどまりました。

2021年から3年連続で販売額が減少していたホームセンター業界ですが、「家庭用品・日用品」と「DIY用具・素材」が好調で、店舗数も前年比1.2%と増加しています。

また、近年ではM&Aを活用して事業拡大を進める企業も登場しており、郊外中心だったビジネスモデルを見直し、都市部や新たなマーケットへの展開が今後のカギとなりそうです。

小売業の課題への解決策

小売業が抱える課題を乗り越えるためには、今の業務や仕組みを見直し、時代に合わせた戦略を取り入れることが不可欠です。

ここでは、持続的な成長のために企業が取り組むべき5つの具体策を紹介します。

事業計画を見直して柔軟な戦略を立てる

市場環境が変化する中、小売業には定期的な事業計画の見直しが求められます。なかでも、以下の要素を客観的に分析したうえで、現実的かつ実行可能な戦略を立てることが大切です。

  • 競合の動き
  • 消費者の変化
  • 自社の強み・弱み

さらに、売上や利益目標だけでなく、「顧客満足度」や「従業員の働きやすさ」といった非財務的指標も盛り込み、バランスの取れた経営を目指しましょう。

さらに、「誰が・いつまでに・何を行うか」を明確にしたアクションプランを立て、実行と進捗確認を繰り返すことが、変化に強い組織づくりにつながります。

多様化する顧客ニーズに対応する販売戦略

消費者の購買行動は、実店舗・ECサイト・SNSなど多様なチャネルを自由に行き来するようになっています。

こうしたニーズに応えるには、オンラインとオフラインを融合させたオムニチャネル戦略が有効です。

ECやSNS販売の導入はもちろん、店舗での体験価値の強化も重要です。

また、顧客の声を積極的に拾い、商品開発やサービス改善に活かす姿勢が選ばれるブランドづくりにつながります。

顧客体験(CX)の質を高める

顧客体験は、単なる接客や店舗デザインにとどまらず、購入から購入後にいたる一連の体験全体を指します。

満足度の高い体験を提供するには、以下のような細かな工夫が欠かせません。

  • 清潔で快適な店舗環境
  • 質の高い接客
  • 分かりやすい商品導線
  • ストレスのないオンライン購入体験

常に顧客の視点に立ち「どのような体験を求めているのか」を把握したうえで、改善を積み重ねていくことがロイヤリティ向上に直結します。

DXを強化する

デジタル技術を活用し、業務や顧客対応を抜本的に見直すDX(デジタルトランスフォーメーション)は、小売業にとっても不可欠な取り組みです。

小売業で導入可能な技術は、以下のように多岐にわたります。

  • POSシステム
  • 在庫管理の自動化
  • AIによる需要予測
  • RPAによる業務効率化

(RPA=ルーティン作業を行ってくれるソフトウェア)

DX強化の成功のカギは、自社の課題と目標に合った技術を選び、段階的に取り入れていくことです。また、従業員への研修や現場レベルでの意識改革も欠かせません。

以下の記事で、POSシステムの仕組みや導入メリット、おすすめ製品を紹介しています。DX強化に取り組みたい方は、ぜひご覧ください。

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SDGs経営を目指す

環境・社会・経済のバランスを重視したSDGs経営は、企業価値を高めるとともに、消費者や投資家からの信頼を得るための重要な視点です。

例えば、以下のように自社でできることから具体的に取り組むことが大切です。

  • 環境負荷の少ない商品の拡充
  • フェアトレード製品の導入
  • 省エネ対策
  • 地域貢献活動

自社に関係するSDGs目標を明確にし、実行可能な行動計画に落とし込むことで、社会貢献と収益性を両立する経営が可能になります。

小売業の課題についてよくある質問(FAQ)

小売業を取り巻く環境は大きく変化しており、その中で多くの人が共通して感じている疑問も少なくありません。ここでは、小売業に関して特に関心の高いテーマを取り上げ、分かりやすく解説します。

小売業の課題は何ですか?

小売業が直面している主な課題には、以下のようなものがあります。

  • 慢性的な人手不足
  • 消費者ニーズの多様化
  • 実店舗の集客力低下
  • ECとの競争激化

さらに、人件費や電気代などの固定費の増加や、物流コストの上昇も大きな負担となっており、従来の店舗運営のままでは収益確保が難しくなりつつあります。

小売業は今後どうなりますか?

今後の小売業は、デジタル化・省人化・地域密着型サービスの強化を軸に進化していくと考えられます。

ECと実店舗を融合させた「オムニチャネル戦略」や、スマートレジ・無人店舗などのテクノロジーを活用した業務効率化が拡大する見込みです。

また、高齢化社会への対応やサステナビリティ重視といった社会的要請にも応えることが、今後の成長の鍵となります。

小売店が潰れる主な理由は?

小売店の廃業理由として多いのは、売上の減少とコスト負担の増大です。

来店者数の減少やECシフトの影響で売上が伸び悩む一方で、人件費・賃料・光熱費などの固定費が上昇しており、利益を圧迫しています。

また、後継者不足や商圏人口の減少といった地域要因も重なり、特に地方の個人商店や中小店舗では事業継続が難しくなっています。

まとめ

小売業を取り巻く環境は、消費者ニーズの多様化や人手不足、デジタル化の進展などにより、これまで以上にスピード感のある変化が求められています。

業種ごとの特性を理解しながらも、共通する課題にどう向き合うかが、持続可能な成長のカギを握ります。

今回は、小売業の課題に役立つ実践的な5つのアプローチを紹介しました。どれも目先の課題を解決するだけでなく、長期的な企業価値の向上にもつながる重要な視点です。

本記事で紹介した解決策を参考に、自店舗の課題解決につなげていきましょう。以下の記事で、小売業の最新トレンドを紹介しています。あわせてご覧ください。

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