レジシステムの歴史とは?誕生から現在までの流れを徹底解説
2024.05.31
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こんにちは。無人決済店舗システムを提供しているTOUCH TO GO 編集部です。
POSシステムやPOSレジは現在、多くの企業で導入が進んでいますが、現代のPOSシステムに至るまでには長い道のりがありました。
この記事では、POSシステムとPOSレジの誕生から現在に至るまでの歴史、そして今後の展望について詳しく解説します。
目次
POSシステム・POSレジとは
POSシステムとは、「Point of Salesシステム」のことで、日本語では「販売時点情報管理システム」といいます。これは、商品がレジを通過する瞬間の情報を読み取り、在庫状況や売上データなどを管理するシステムです。
POSシステムの分析機能を使うことで、何を・いつ・どこで・いくらで・どれだけ販売したかを定量的に把握でき、販売、仕入れ、配送などの業務を合理的に行うことができます。また、情報が可視化されるため、多店舗の在庫確認も可能となり、迅速な取り寄せが可能になります。
一方、POSレジは商品の販売情報を即座に取得・管理する機能を持ったレジです。各POSレジは、販売情報を一元管理するPOSシステム上で管理されており、スキャン入力やキーボード入力によって、商品情報、販売金額、支払方法などの各種情報が自動的に記録されます。複数の店舗を展開している場合でも、すべてのPOSレジは1つのPOSシステム上で管理され、情報が共有されます。
POSシステム・POSレジの歴史
レジスターが初めて使われたのは約150年前のことです。その後、POSシステムやPOSレジが登場したのは約40年前です。ここでは、レジスターがどのように進化し、現在のPOSシステム・POSレジに至ったのか、その歴史を振り返ってみましょう。
1878年
- アメリカのカフェで世界初のレジスターが誕生
- ジェームズ・リッティーが初の機械式レジスターを開発し、売上記録の自動化を実現。
1897年
- アメリカから日本にレジスターが上陸
- 日本でのレジスター利用が始まり、商業施設での導入が進む。
1910年頃
- 多くの百貨店で導入が進む
- 日本国内の多くの百貨店でレジスターの使用が一般的に。
1970年
- POSレジシステムの標準機がアメリカで登場
- 電子技術を利用したPOSレジシステムが開発され、売上データの管理がデジタル化される。
1978年
- JANコードの制定・日本でのPOSシステム開発の進展
- 日本でJANコード(Japanese Article Number)が制定され、バーコードを利用した商品管理が始まる。
1980年代後半
- オンラインシステム搭載のPOSレジが誕生
- ネットワークを通じてリアルタイムでデータを共有できるオンラインPOSシステムが普及。
1990年代
- WindowsOSを搭載したPOSレジシステムの登場
- Windows OSを搭載したPOSレジが登場し、操作性や機能が大幅に向上。
2000年代
- ネットショップの発展とWebPOSの誕生
- インターネットの普及により、オンラインでのPOSシステム管理が可能となるWebPOSが発展。
現在
- タブレット型POSレジの普及
- タブレット型のPOSレジが普及し、モバイルデバイスを使った柔軟でコンパクトな販売管理が可能に。
このように、POSシステムとPOSレジは技術の進歩とともに大きく進化し続けています。現代では、高度なデータ分析やクラウド技術、モバイルデバイスの利用が進み、より効率的で便利な店舗運営が実現されています。
1878年|アメリカのカフェで世界初のレジスターが誕生
世界初のレジスターは1878年(明治11年)に誕生しました。アメリカで飲食店を経営していたジェームズ・リティが、従業員の売上金のごまかしを防ぐために作り出したといわれています。
ジェームズ・リティが開発したこのレジスターは「ダイアルレジスター」と呼ばれ、数字キーを押すと支払額が表示されるという単純な仕組みでした。押しボタン式で瞬時に金額が表示されるため、現在のPOSシステムのプロトタイプとされています。
レジスターが誕生してから6年後の1884年(明治17年)、レジスターの販売権を買い取ったジョン・H・パターソンが企業を設立しました。この企業が現在の米国NCR社です。NCR社はレジスター事業に乗り出し、日本で最初に導入されたレジスターもこの会社のものでした。
1897年|アメリカから日本にレジスターが上陸
日本では1871年(明治4年)、近代化を目指して貨幣単位に「円」が採用されました。そして、レジスターの発明から19年後の1897年(明治30年)、横浜の貿易商であった牛島商会がアメリカからレジスターを輸入しました。これが日本初のレジスターといわれています。
日本初のレジスターは、売上を記録するものでした。金額ボタンを押すと、内蔵されたロール紙にピンが当たり、穴を開ける仕組みになっていました。各金額を集計することで、売上を把握できるようになっていました。
1910年頃|多くの百貨店で導入が進む
日本にレジスターが上陸してから約10年後の1910年頃、日本国内の多くの百貨店がレジスターを導入し始めました。1900年代初頭の日本では、近代化が急速に進んでおり、現在もよく知られる百貨店が数多く開設されました。
当時の百貨店は、買い物だけでなく、西洋の商品を見ることができる数少ない場所として、上流階級に好まれていました。このような背景から、レジスターにはレシート発行機能や加算機能、取引の明細と合計の表示など、現代のレジの基本機能が次々と追加されていきました。
1970年|POSレジシステムの標準機がアメリカで登場
レジスターはアメリカだけでなく日本でも進化を続け、日本国内でもレジスターを取り扱うメーカーが増えました。激しい販路拡大競争の中で、レジスターは機械式から電動式(ECR)へと変化していきました。
1970年代には、アメリカで取引明細や売上の記録ができるPOSレジが開発されました。しかし、日本では機械式レジスターによる腱鞘炎が問題視され、より軽いタッチで入力できる電動式(ECR)の開発が主流となりました。そのため、日本でのPOSレジの導入は少し遅れることになりました。
1978年|JANコードの制定・日本でのPOSシステム開発の進展
POSシステムを有効に利用するためには、情報の蓄積が不可欠です。しかし、それを手入力で行うのは非合理的です。POSシステムの運用では、一度に多くの商品情報を自動で入力できる商品識別コードの整備が重要です。
商品識別コードとして、アメリカでは1973年にUPCコードが制定されました。さらに、1977年には世界共通のEANコードが制定され、これによりPOSシステムの導入が進みました。日本でも1978年にJANコードが制定され、POSシステム導入の基盤が整いました。
その後、会計だけでなく在庫管理や発注管理も可能なPOSレジが開発されました。1982年にセブンイレブンがPOSレジを導入し、大きな注目を集めました。セブンイレブンは導入にあたり、商品にJANコードを印刷することを求めました。これにより、JANコードの普及が進みました。
1980年代後半|オンラインシステム搭載のPOSレジが誕生
アメリカでは、1970年代に店舗内で販売情報を記録し、出力できるインハウスオンラインのレジが開発され、データをコンピュータに集めることが可能になりました。そして、1980年代後半には、本部と店舗をつなぐオンラインシステム搭載のPOSレジが誕生しました。
オンラインシステム搭載のPOSレジは、各店舗の売上を本部で管理できるようになったため、コンビニやチェーン店を展開する企業などに広く導入されるようになりました。日本でのPOSレジは1980年中頃から徐々に普及し始め、急速に広まったのは1990年代中頃のことでした。
1990年代|WindowsOSを搭載したPOSレジシステムの登場
1990年代に入ると、WindowsOSを搭載したPOSレジシステムが登場しました。初代Windowsのリリースは1985年であり、当初はDOS上で動作していました。Windows自体がOSとして確立されたのは1994年であり、この頃にWindowsOSを搭載したPOSレジシステムが開発されました。
Windows搭載以前のPOSレジは、各メーカー独自の仕様であり、非常に高価なものでした。しかし、WindowsOSが登場してからは、Windows上でPOSシステムを構築することが可能となり、開発が容易になりました。その結果、レジメーカー以外でもPOSシステムの開発が進み、価格も大幅に下がりました。
2000年代|ネットショップの発展とWebPOSの誕生
2000年代に入ると、インターネットの高速化と利用料の低価格化が進み、1995年に発売されたWindows95の爆発的ヒットにより、一般家庭にもパソコンが普及しました。これに伴い、インターネットショッピングが発展し、WebPOSが誕生しました。
WebPOSとは、店舗のPOSレジと本部のサーバーをインターネットを介して接続し、本部のサーバーで全てを管理するシステムです。POSレジに搭載されているのは基本的にWebブラウザのみで、これまでのPOSシステムに比べて安価で導入可能なシステムです。
現在|タブレット型POSレジの普及
現在では、タブレット型POSレジの導入が広まっています。タブレット型POSレジは、一般的なタブレットにアプリをインストールして使用するタイプのPOSレジです。
これらのPOSレジは、多くがサービス提供会社のサーバーでデータ管理を行い、利用者はインターネットを通じてクラウドサービスとしてPOSシステムを利用します。持ち運びが容易で導入コストも低く抑えられるため、小売店の接客用や飲食店のオーダー端末としても利用されています。
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