こんにちは。無人決済店舗システムを提供しているTOUCH TO GO 編集部です。
これから無人販売所の開業を考えている方のなかには、盗難についての不安を感じている方も多いと思います。
無人販売所は店内にスタッフがいない運営形態のため、「人がいないと盗難が増えるのでは?」と考えるのも無理はありません。
では、実際に無人販売所ではどのくらいの盗難が発生しているのでしょうか?また、どのような時間帯や店舗で発生しやすいのでしょうか?
本記事では、無人販売所における盗難の実態として、盗難率や盗難件数、事例を紹介します。
さらに、小売店で盗難が発生しやすい時間帯や店舗、被害品の調査結果や対策方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
無人販売所での盗難はなぜ起こる?
無人販売所はスタッフが店内に配置しないことから、盗難が発生しやすいといわれています。
店内にスタッフがいることは、少なからず「人に見られている」という意識を顧客にもたせることにつながり、不正行為の抑止力として有効です。
無人販売所は店内スタッフがいないことにより、「監視」や「不正行為への対応」が十分にできず、盗難が発生してしまうケースもあるのです。
無人販売所における盗難率・盗難件数について
無人販売所に限定した盗難率・盗難件数についての公式な調査は、現時点では確認できませんでした。(2024年10月時点)
しかし、「全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告」では、セルフレジ導入による万引き被害の増減に関する調査について、以下のように報告しています。
- わからない:41.4%
- 変わらない:29.3%
- 増えた:25.0%
- 減った:0.0%
- 無回答:4.3%
出典:全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告 P.27
上記は小売業を営む企業1069社を対象にした調査結果です。セルフレジの導入による万引き被害について、「わからない」と増減を把握できていない企業がもっとも多く、次いで「変わらない」「増えた」という結果になっています。
万引き件数は「変わらない」としている割合は約3割あり、「わからない」と回答されている中にも、件数に変化がない店舗もある可能性を考慮すると、必ずしも「セルフレジの導入が万引き増加に直結する」とは限らないことがわかります。
無人販売所の盗難事例
次に、近年ニュースに取り上げられた、無人販売所の盗難事例を2つ紹介します。
1つ目は、2022年10月にオープンした大阪府東大阪市の古着の無人販売店です。さまざまな古着を扱うこちらの店舗では、ハンガーに記載された商品代金を発券機で支払う仕組みとなっています。
店内に防犯カメラが6つ設置されており、セキュリティ面にも配慮していたと考えられます。しかし2023年10月、試着室に商品がかかっていないハンガーを複数発見。
店内に設置していた防犯カメラを確認したところ、犯行の一部始終が映っていたとのことです。
店舗オーナーはSNSで防犯カメラの画像を公開し、犯人からの連絡を呼びかけましたが、3週間以上経過しても連絡がこなかったため、警察に被害届を提出しました。
出典:24時間無人店が「窃盗犯」に“逆襲”、SNS上で画像公開相次ぐ 専門家は「慎重に」
2つ目は、さいたま市大宮区にある餃子の無人販売所で発生した盗難事件です。
2022年6月の深夜0時頃、同店舗に男女2人が来店。餃子など総額1万1500円相当の商品を盗んだとして、窃盗容疑で逮捕されました。
女性は不起訴処分となりましたが、男性は罰金20万円の略式命令を受けました。
出典:許せない…カップルがギョーザ盗み、彼氏に罰金20万円 必死の「無人販売所」怒り 抑止力ある“善意”も
関連記事>>万引きの心理と対策!被害を防ぐための方法とは?
TOUCH TO GO の 無人決済店舗システムは、カメラで人物をトラッキングし、どの棚のどの商品が何個お客様の手に取られたかをセンサーで感知します。
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無人販売所の盗難は「窃盗罪」に該当する
無人販売所の商品を精算せずに持ち帰ることは、「窃盗罪」に該当する行為となります。
窃盗罪とは、他人の所有物(財物)を許可なく自分のものにする犯罪行為のことで、罪が成立すると「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の刑罰が下されます。
窃盗罪が成立するかどうかの大きなわかれ目となるのが、盗む意思があったかどうかです。
基本的に窃盗罪は故意に盗んだ行為に対する罪のため、「間違えて持ち帰ってしまった」「後で気付いて代金を支払った」というケースは該当しません。
ただし、いくら本人が「うっかり持ち帰ってしまった」と主張しても、何度も同じ行為を繰り返している場合は、故意であるとみなされる可能性もあります。
出典:刑法|第三十六章 窃盗及び強盗の罪 窃盗罪(第二百三十五条)
盗難が発生しやすい時間帯・店舗(業種)・被害品について
次に、盗難が発生しやすい時間帯・店舗(業種)・被害品について紹介します。一般的な小売店での調査報告書をもとにした情報ではありますが、無人販売所においても共通する部分はあると考えられます。
盗難被害を未然に防ぐためにも、どのような時間帯や店舗、商品での盗難が多いのかを知っておきましょう。
盗難が発生しやすい時間帯
盗難が発生しやすい時間帯は年代ごとに違いがあり、次のようにわかれています。
年齢層 | 時間 |
成人 | 12時、16時、20〜0時 |
高齢者 | 11時、15時 |
少年 | 15時〜16時 |
全年代12:00と16:00の2つの時間をピークとし、成人による盗難はお昼や夕方、夜がとくに多くなっています。また、高齢者は午前中がもっとも多く、20歳未満に関しては学校終わりの15時〜16時に増加します。
なお、店内の混雑具合を「混雑」「通常」「閑散」の3つにわけた場合、通常時の犯行が6〜9割程度で、混雑と閑散を比較すると閑散のほうが若干多くなります。
盗難が発生しやすい店舗(業種)
盗難が発生しやすい店舗(業種)と割合は、次のとおりです。
店舗種類 | 割合 |
スーパーマーケット | 46% |
コンビニ | 20% |
ドラッグストア | 5% |
書店 | 4% |
衣料品店 | 4% |
デパート・ホームセンター・家電量販店 | 13% |
一般商店・雑貨店・その他 | 9% |
上記のように、もっとも盗難が発生しやすいのはスーパーマーケット、次いでコンビニ、ドラッグストアとなっています。
また、店舗(業種)は利用者層とも深く関連があり、高齢者ほどスーパーマーケットでの盗難が多く、若年層になるほどコンビニでの盗難が増加します。
盗難されやすい物品
盗難されやすい物品は、全年代で「食料品」が62%ともっとも多く、なかでも65歳以上の盗難では約8割にものぼります。
一方で13〜19歳の未成年は文具・雑貨等が多く、12歳以下では玩具等の割合が多くなります。
無人販売所における盗難対策
無人販売所での盗難は、正しい対策により未然に防ぐことが可能になります。
ここでは、先ほども紹介した「全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告」の調査結果から、万引き窃盗対策を5つ紹介します。
出典:全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告 P.30
防犯カメラの設置・増設
1つ目は、防犯カメラの設置・増設です。
防犯カメラを設置することで、撮影された映像を証拠として警察に提出できる点もメリットです。
実際に防犯カメラを設置した店舗では、「スタッフの万引きを防ぐ意識が高まった」との声もあります。
スタッフによる声かけ
2つ目は、スタッフによる声かけです。店内で怪しい人物をみかけたら「どうされましたか?」「ご不明点はございますか?」など、気遣いをみせる形で声をかけます。
さらに、大きな声での挨拶やセルフレジでのサポートは、スタッフの存在をアピールすることにもつながり、犯罪抑止力として有効です。
なお、スタッフがいないことを前提とする無人販売所ですが、遠隔で接客できるシステムを導入することで、遠隔地にいるオペレーターの接客が可能になります。
マイバック利用に対するルール決め
3つ目は、マイバッグマナーの普及と、店内かごの工夫です。
近年ではマイバッグが浸透してきていますが、店内の人目につかない場所で未精算の商品をバッグに入れるなど、万引き行為につながる一面もあります。
そこで、精算前のマイバッグ使用禁止や、「店内ではマイバッグを折りたたんでください」などのPOPを掲示するといった方法をとることで、盗難防止の効果を見込めます。
店内ポップ・ポスターの掲示
4つ目は、店内ポップやポスターの提示です。
店内各所やレジ付近に、上記のような盗難・万引き防止のポップやポスターを掲示することで、顧客とスタッフの防犯意識の向上につながります。
「STOP万引き!」や「監視カメラ作動中」「万引きを発見次第警察に通報します」などといったフレーズはよく使われます。
また、紙媒体だけでなく、デジタルサイネージで注意喚起を促す方法も有効です。
防犯ゲートの設置
5つ目は、防犯ゲートの設置です。店内の出入り口に防犯ゲートを設置することで、未精算の商品の持ち出しを防ぎます。
防犯ゲートは大きくわけて次の3種類あり、それぞれ異なる特徴をもっています。
防犯ゲートの種類 | 特徴 |
電波式ゲート | 8.2MHzの周波数のタグやシールを商品に取り付け、ゲート通過時に光や音で知らせる |
磁気式ゲート | 52kHzの周波数のタグやシールを商品に取り付け、ゲート通過時に光や音で知らせる |
自鳴式ゲート | 商品に取り付けたタグから警報音を発する |
また、近年では店内でのオーダーと決済を連動させた防犯ゲート「TTG-GATEWAY」も登場しています。
「TTG-GATEWAY」は、入退場ゲートと無人決済端末を組み合わせた無人店舗システムで、商品の注文・決済に加えて時間課金による支払いもすべて非対面で完結します。
カフェ内のコワーキングスペースなどの人件費削減・省人化を可能にするシステムとなっています。
製品詳細>>
ゲート連動型オーダー&決済 新プロダクト「TTG-GATEWAY」
盗難対策が施されている無人販売所の事例
次に、盗難対策が施されている無人販売所の事例を3つ紹介します。なお、紹介するシステムについての詳細は、以下のリンクからご確認いただけます。
製品詳細
>>TTG-SENSE / TTG-SENSE MICRO
高輪ゲートウェイ駅 無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」
「TOUCH TO GO」は、2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅内にある無人AI決済店舗です。
入店には会員登録やアプリのインストールなどの個人認証は不要で、入り口に立つだけでゲートが開き、誰でもそのまま入れます。
店内に設置されたカメラが顧客の動きを判別しており、会計時は顧客がレジ前に立つと商品が表示されるウォークスルー型となっています。
関連記事>>高輪ゲートウェイ駅 無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がサービス開始
ANA FESTA株式会社 ANA FESTA GO羽田B1フロア店
羽田空港のB1フロアにある「ANA FESTA GO羽田B1フロア店」では、TOUCH TO GOが提供する無人店舗システム「TTG-SENSE」を導入しています。
セルフレジの浸透や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、従来のリテールビジネスの在り方をTOUCH TO GOシステムの導入により脱却。
スピーディな買い物体験を実現することで、「飛行機搭乗までの短時間でお土産を購入したい」という顧客ニーズにも対応できるようになりました。
関連記事>>ANA FESTA株式会社のみなさんにお話を伺いました。
ファミマ!! サピアタワー/S店
ファミマ!! サピアタワー/S店は、2021年に開業したファミリーマートの無人決済店舗の第一号店です。
従来の店舗と比べると店舗面積は小さく取扱商品も少なめですが、忙しい朝でも行列に並ぶことなく買い物ができるのは、大きなメリットとなっています。
関連記事>>無人決済システムを活用したファミマ!!サピアタワー/S店がOPENしました。
まとめ
無人販売所の盗難は被害届の提出や逮捕につながるケースもあり、テレビやネットのニュースで見たことがある方もいるかもしれません。
とはいえ、有人でも無人でも盗難や万引きが発生する可能性はあり、どちらも万全な防犯が必須となります。
今回紹介した盗難が発生しやすい時間帯や店舗(業種)、被害品はあくまでも目安ですが、傾向を把握しておくことで対策しやすくなるはずです。
無人店舗システムのTOUCH TO GOは、センサーやカメラで店内にいる顧客を追跡するため、高いセキュリティ効果を発揮します。
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