食品や日用品、家電で人気のコストコ。近年ではコストコで仕入れた商品を販売する「コストコ再販店」が増えています。
なかにはコストコ再販店に取り組んでみたいと思いつつも、始め方がわからないと悩む方もいらっしゃると思います
そこで本記事では、コストコ再販店の始め方をステップ形式で紹介します。
商品の仕入れ方法や成功に導くためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事>>コストコ再販店は儲かるビジネスモデルなのか?
目次
コストコ再販店の仕組み
コストコ再販店とは、コストコで購入した商品を一般消費者向けに販売する小売店のことを指します。
コストコでは食品、日用品、家電、衣料品など、幅広い商品を低価格で販売している会員制の大型倉庫型店で、この倉庫から仕入れた商品を再販するのが「コストコ販売店」となります。
本来、コストコ倉庫で商品を購入するには会員登録が必要ですが、コストコ再販店では会員登録なしで買い物できるのが大きな特徴です。
また、コストコ倉庫がない地域でもコストコの商品が購入できることから、近隣の小売店との差別化も図れます。
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コストコ再販店の始め方
ここからは、コストコ再販店の始め方をステップ形式で紹介します。
あくまでも一例となりますが、コストコ再販店を始める流れは次のとおりです。
ステップ1:お店のコンセプト設計
コストコ再販店を始める前に、まずお店のコンセプトを明確にする必要があります。
たとえば、「食品に特化したお店」「日用品に特化したお店」「家電に特化したお店」など、どのような店舗にするのかを考えましょう。
お店のコンセプトによって仕入れる商品や販売戦略が変わるため、
- どのような商品を販売したいのか
- ターゲットとする顧客層は誰か
- どのような雰囲気のお店にしたいのか
などを具体的にイメージしておくことが大切です。
ステップ2:資金を調達する
コストコ再販店を開業するには、家賃、仕入代、人件費など、さまざまな運営費用がかかります。
そのため、開業前に十分な資金を調達する必要があります。
資金調達方法には「自己資金」「銀行融資」「助成金の活用」などが挙げられ、もっともよい方法を選択することが大切です。
なお、銀行からの融資を受けるのであれば、事業計画書を作成して銀行に提出する必要がありますし、国や地方自治体からの助成金を受けるためには要件を満たす必要があります。
ステップ3:出店場所・物件探しと契約
お店のコンセプトが決まり資金調達の目処が立ったら、出店場所を探します。
出店場所を選ぶ際には、ターゲットとする顧客層が住んでいる地域、交通の便が良い場所、競合店が少ない場所などを考慮する必要があります。
家賃は固定費として支払い続けるコストのため、予算を事前に考えておくことが大切です。
よさそうな物件がみつかれば、契約へと進みます。
のちのトラブルを避けるためにも、賃貸契約を結ぶ際には賃料・敷金・礼金・保証金などのコスト面と、契約条件をしっかり確認しておきましょう。
ステップ4:店舗のレイアウトを設計
出店場所が決まったら、店舗のレイアウトを設計します。
店舗のレイアウトは顧客の動線を考慮して商品が探しやすく、買いやすいように設計する必要があります。
また、陳列方法や照明なども、顧客の購買意欲を高めるように工夫する必要があります。
ステップ5:設備や備品などを設置
店舗のレイアウトが決まったら、次に設備や備品などを設置します。
必要な設備や備品はお店の規模・コンセプトによって異なりますが、おもに以下のような設備を整えます。
- レジ
- 陳列棚
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- 照明
- 防犯カメラ
なお、コストコ再販店の回転率を高めて、効率よく売上アップを目指すのであれば、「TTG-MONSTAR」のようなセルフレジの導入がおすすめです。
ステップ6:許可を取得する
コストコ再販店で取り扱う商品によっては、許可を取得する必要があります。
- 食品関連:食品衛生に関する営業許可
- アルコール類:酒類販売業許可
- 一部の医薬品や化粧品:薬事関係法令にもとづく販売許可
上記例のように、ジャンルによって取得が必要な許可内容は異なります。また、許可を取得するには申請書類の提出が求められます。
申請から許認可まで日数がかかる可能性もありますので、コストコ再販店で販売する商品を決めたら、許可が必要かどうか早めに確認しておきましょう。
ステップ7:商品を仕入れる
必要な許可を取得したら、商品を仕入れます。
コストコ倉庫で仕入れをおこなう際には、仕入れ価格や品質、保存方法などをしっかり確認しておきましょう。
また、在庫管理も重要です。在庫が不足すると顧客に商品を提供できなくなりますし、逆に在庫過多になると、保管費用が余分にかかってしまいます。
適切な在庫管理をおこなうことで、コスト削減と顧客満足度の向上を図れます。
ステップ8:店舗の宣伝をおこなう
商品を仕入れて店舗を開店する目処が立ったら、宣伝をおこないます。
宣伝方法には以下のような手法があります。
- チラシ配布
- ポスティング
- ホームページ作成
- SNS広告
さまざまな宣伝活動をおこない、できるだけ多くの顧客に認知してもらいましょう。
ステップ9:開業
開店予定日までは、商品の陳列や従業員への教育、その他に必要な業務をおこないます。
予定した日程がきたら、いよいよオープンです。
より多くの顧客の来店を促すために、オープニングセールやプチギフトの配布なども有効です。
オープン後も改善を繰り返して、長く利用され続けるコストコ再販店を目指しましょう。
コストコ再販店の仕入れ方法
コストコ再販店の仕入れは、コストコ倉庫で商品を購入するだけで完了します。
仕入れのために特別な業者を見つける必要はなく、会員登録している人なら誰でも商品の仕入れが可能です。
また、コストコ倉庫では常に大量の在庫が陳列されているため、「在庫切れで仕入れられない」というトラブルが発生しにくいのもコストコ再販店の特徴です。
コストコ再販店の仕入れについての詳細は、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事>>コストコ再販店の仕組みと無人レジ・セルフレジの舞台裏
コストコ再販店を成功に導くためのポイント
次に、コストコ再販店を成功に導くためのポイントを紹介します。
コストコ再販店で利益をあげ続けるためにも、次の5つのポイントをおさえておきましょう。
店舗のターゲットを設定する
コストコ再販店を成功させるためには、店舗のターゲットを設定することが重要です。
ターゲットは年齢層・性別・職業・ライフスタイルなど、さまざまな要素で絞り込めます。
たとえば、若いファミリー層をターゲットにする場合は、子供向けの商品や食品を充実させる必要がありますし、高齢者層をターゲットにする場合は、健康食品や介護用品を充実させる必要があります。
このようにターゲットを明確にすることで、商品選定や販売戦略を効率よくおこなえます。
顧客のニーズにあった商品を仕入れる
コストコ再販店では、顧客のニーズにあった商品の仕入れが売上を左右する要素となります。
そこで、ターゲットにあわせた市場リサーチや、店舗での売れ行きなどをチェックして改善を重ねていきます。
また、可能であれば店舗でのアンケート調査をおこなうのもよいでしょう。
アンケート調査の結果を参考にすることで、コストコ再販店へ来店する顧客がどのような商品を求めているかを把握でき、売れる商品を仕入れやすくなります。
販売価格と利益のバランスに気をつける
コストコ再販店では、販売価格と利益のバランスに気をつける必要があります。
当然ながらコストコで購入した商品をそのままの価格で販売すると、利益率が低くなってしまいます。
「コストコ倉庫で仕入れした価格」に「利益を上乗せした金額」の差額がコストコ再販店の利益となりますが、どの程度の利益を上乗せするかが重要となります。
販売価格を設定する際には、仕入れ価格・販売経費・競合店の販売価格などを考慮し、バランスよく調整してみましょう。
他店との差別化を図る
「コストコ」というブランド力は、一般的な小売店との大きな差別化になります。
その一方で、「コストコ再販店」としての店舗形態は、一般的な小売店と同じため、他店との差別化が重要です。
差別化を図る方法の一例を挙げてみると、
- 他のコストコ再販店では扱っていない商品を販売
- 他店よりも低価格で販売
- 試食などのサービスを提供
- キャンペーンの実施
などが考えられます。どの方法がよいかは店舗により異なるため、コンセプトや地域、ターゲットなどを踏まえて考えてみましょう。
効果的なマーケティング施策を考える
コストコ再販店を成功させるためには、効果的なマーケティング施策を考える必要があります。
マーケティング施策にはチラシの配布、ポスティング、ホームページ作成、SNSでの発信などがありますが、どのようなアプローチが効果的かは、ターゲットによってさまざまです。
たとえば、ターゲットが若いファミリー層であればSNSでの発信やクーポンの配布などが考えられます。
一方で、高齢者層をターゲットにする場合は、地域密着型のチラシ配布やポスティングなどが効果的です。
このように、店舗を利用するターゲットにあわせたマーケティング施策を検討してみましょう。
コストコ再販店を運営するメリット
コストコ再販店には、一般的な小売店にはないメリットが存在します。
ここでは、コストコ再販店を運営するメリットを3つ紹介します。
人気商品が多く集客力が高い
コストコには「コストコでしか買えない」と言われる人気商品が多く、さらに広く知られているブランドでもあります。
このようなコストコの商品を取り扱うことで、少し遠くても興味をもつ人が店舗へ足を運んでくれるため、高い集客力に期待できます。
大量仕入れでコストをおさえられる
コストコは商品を大容量で販売しているため、1商品あたりの原価がおさえられる傾向にあります。
これを再販店として小分けにして販売することで、原価と売価のバランスが取れやすく、利益を上げやすいビジネスモデルを確立できます。
また、独自で価格設定できる点もコストコ再販店のメリットとなります。
特別感による購買意欲の向上
コストコ商品を販売する再販店は、非会員でもコストコ商品を購入できるため、「コストコに行けない・行きづらい人」や「非会員の人」からの高い需要に期待できます。
また、コストコには人気のプライベートブランド「カークランドシグネチャー」などもあり、特別感や珍しさによる購買意欲が高まりやすいと考えられます。
コストコ再販店を運営するデメリット
コストコ再販店を運営する際には、以下のようなデメリットや課題がある点に注意が必要です。
どのようなデメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。
価格設定の難しさ
コストコの魅力はその「低価格」と「大容量」ですが、再販店でも同じ価格で販売するのは難しく、どうしてもマージンを上乗せする必要があります。
しかし、多くの人は商品の販売価格に敏感で、競合他社との価格もチェックしています。
とくに一般的な小売店よりも極端に高い価格設定にすると、顧客が他の店舗で購入する可能性が高くなり、売上が減少するリスクがあります。
在庫管理とコストの負担
コストコの商品は大容量・大量仕入れが基本であり、再販店としては小分けにする必要があるため、手間がかかります。
また、商品によっては賞味期限が短いものもあり、売れ残った場合の廃棄リスクや在庫ロスが発生する可能性もあります。
さらに倉庫や保管スペースも多く必要で、運営コストが増える点もデメリットとなります。
取扱商品が限定される
コストコ倉庫では多種多様な商品を販売していますが、再販店では商品を厳選して取り扱うことになります。
そのため、どのような商品を扱うのかが重要なポイントとなり、店舗のコンセプトやターゲットの設定を曖昧にしてしまうと、売上を伸ばしづらくなります。
取扱商品が限られることを前提に、顧客のニーズに応える商品ラインナップを考えてみましょう。
まとめ
コストコ再販店は集客力や利益率が高く、安定した運営がしやすいビジネスとして注目されています。
これからコストコ再販店に取り組むのであれば、お店のコンセプトを明確にし、ターゲットを絞り込み、顧客のニーズに応えられる商品を仕入れることを意識しましょう。
また、「販売価格と利益のバランスに気をつける」「他店との差別化を図る」「効果的なマーケティング施策を考える」などのポイントをおさえることで、コストコ再販店を成功に導きやすくなります。
コストコ再販店のビジネスモデルについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事>>コストコ再販店は儲かるビジネスモデルなのか?
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