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こんにちは。無人決済店舗システムを提供しているTOUCH TO GO 編集部です。
飲食店や施設、交通機関など、さまざまな場面で活躍する「券売機」。人手不足への対応や業務効率化を目的に、導入を検討する事業者も増えています。
しかし、券売機には複数の種類があり、費用や機能もさまざまです。導入のメリット・デメリットや選び方のポイントが分からず、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、券売機の基本的な仕組みや種類ごとの特徴、費用相場、メリット・デメリットを解説します。券売機の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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監修者プロフィール

2019年に株式会社TOUCH TO GOを設立。無人決済店舗システムを提供し、次世代型小売の拡大に取り組んでいる。
目次
券売機とは?
券売機は、飲食店では「食券」、施設では「入場券」や「チケット」など、用途に応じて幅広く活用されています。以下で、券売機の基本的な仕組みや、混同されやすい機器との違いを解説します。
基本的な仕組み
券売機は、商品やサービスの代金を事前に支払い、チケットや食券を発行する機械です。顧客は現金やキャッシュレス決済を利用して購入し、その後に商品やサービスを受け取る流れとなります。
人を介さずに注文や決済が完結するため、レジ業務の効率化や省人化につながる点が大きな特徴です。
発券機との違い
「発券機」は主にチケットの配布や座席指定などを目的とした機械であり、必ずしも決済機能を備えているわけではありません。
一方、券売機はその場で料金の受け取りから券の発行までを行う点が大きな違いです。
食券機(食券自販機)との違い
飲食店でよく見かける「食券機」は、券売機の一種です。ラーメン店や定食屋でお客様が事前に食券を購入し、スタッフに渡すことで注文が完了する仕組みは、券売機の代表的な活用例と言えます。
つまり食券機は「飲食店に特化した券売機」と捉えると分かりやすいでしょう。
精算機との違い
精算機は、駐車場や医療機関などで利用される「料金を精算することに特化した機械」です。基本的には利用後に金額を確定し、後払いで支払う仕組みです。
これに対して券売機は、利用前に料金を受け取る「前払い型」が一般的で、目的や利用シーンに違いがあります。
セルフレジとの違い
セルフレジは、利用者が自分で商品をスキャンし、会計を行うシステムです。多様な商品を扱える柔軟性がある一方で、購入内容の入力や会計の手間がかかります。
券売機はあらかじめメニューやサービス内容が定められているため、スピーディーでシンプルな決済が可能です。
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券売機の種類と特徴
一口に券売機といっても、形式や操作方法にはいくつかの種類があります。ここでは券売機の代表的な「ボタン式」「タッチパネル式」「卓上型」の3種類について、それぞれの特徴を解説します。
ボタン式券売機
ボタン式券売機は、昔から飲食店などで広く利用されてきたスタンダードなタイプです。商品名やメニューが印字されたボタンを押すことで選択し、支払いを済ませると食券やチケットが発行されます。
操作が直感的で分かりやすく、高齢者を含め幅広い顧客層に対応しやすい点が強みです。一方で、機種によっては取り扱えるメニュー数が限られ、季節限定メニューや新商品の追加が多い業態では柔軟性に欠けることがあります。
タッチパネル式券売機
タッチパネル式は、画面上でメニューを選択するタイプの券売機です。写真や説明文を表示できるため、初めての顧客にも分かりやすく、外国語対応もしやすいというメリットがあります。
また、画面レイアウトを変更することでメニューの追加・削除も簡単に行え、プロモーションや限定商品にも柔軟に対応可能です。
ただし、導入コストはボタン式に比べて高くなる傾向があり、初期投資を抑えたい小規模店舗では負担が大きくなる場合もあります。
卓上券売機
卓上券売機は、省スペースでの利用を想定したコンパクトなタイプです。設置面積が限られる小規模店舗や移動販売車などでも導入しやすく、比較的低コストで運用できます。
ただし、収納できる紙幣や硬貨の数が限られるため、大量の決済には向かず、ピーク時にはオペレーションが滞る可能性もあります。主に補助的な利用や小規模業態に適したタイプといえるでしょう。
【種類別】券売機の費用相場
券売機の導入コストは、機種のタイプや搭載機能、紙幣対応の範囲によって価格は大きく変動します。
ここでは代表的なタイプ別に、新品導入時の費用相場を整理します。
全札対応型券売機
全札対応型券売機は、1,000円札から1万円札まで幅広い紙幣に対応できるタイプです。高額紙幣を扱えるため顧客にとって利便性が高く、飲食店や施設での利用に適しています。
価格相場は120万円程度が目安で、利便性や顧客満足度を重視する業態に選ばれています。
低額紙幣対応型券売機
低額紙幣対応型券売機は、1,000円札など低額紙幣のみを受け付けるタイプで、初期投資を抑えたい事業者に向いています。
費用相場は50万円前後で、小規模店舗や客単価の低い業態で導入しやすい一方、高額紙幣を利用する顧客が多い場合はオペレーション上の工夫が必要となります。
ボタン式券売機
ボタン式券売機は、古くから飲食店で採用されてきたスタンダードなタイプです。直感的に操作でき、耐久性にも優れています。対応できる紙幣の範囲によって費用は異なりますが、50万〜150万円程度が相場となります。
シンプルな構成であればコストを抑えられますが、メニュー数が多い業態ではボタン数に限界がある点に注意が必要です。
タッチパネル式券売機
タッチパネル式券売機は、画面上でメニューを選ぶタイプで、写真や多言語表示も可能です。こちらも機能によって費用の幅があり、50万〜200万円程度が目安です。
初期投資は大きいですが、顧客体験の向上や販促効果を重視する事業者に適しています。
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券売機を導入するメリット
券売機を導入すると、店舗や施設の運営にさまざまな効果が期待できます。ここでは、券売機を導入する具体的なメリットを見ていきましょう。
人件費を削減して省人化できる
券売機を導入する最大のメリットは、人件費を削減できることです。これまでスタッフが対応していた注文や会計を券売機が担うことで、レジ業務にかかる時間と人員を大幅に減らせます。
その分、スタッフは調理や接客といった本来の業務に集中でき、限られた人員でも効率的に店舗を運営できるようになります。
特に人手不足が深刻化している飲食業やサービス業にとって、券売機の導入は省人化を実現する手段となります。
人件費の高騰が続く中でコスト削減効果が期待できるだけでなく、少人数での店舗運営を可能にするため、長期的な経営の安定にもつながります。
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回転率が上がり行列を緩和できる
券売機は会計を事前に済ませる仕組みのため、注文から提供までの流れがスムーズになります。スタッフが一人ひとりの会計に時間を割く必要がなくなり、ピークタイムでもお客様を待たせにくくなります。
特にランチタイムの飲食店などでは、会計待ちによる行列が発生しやすいですが、券売機を導入することで回転率を高め、混雑を緩和できます。
結果として客席の回転スピードが上がり、売上アップにつながるだけでなく、顧客満足度の向上にも役立ちます。
衛生管理をしやすくなる
券売機を導入することで、スタッフがお金を直接扱う機会を大幅に減らせます。現金の受け渡しは衛生面でリスクとなりやすく注意が必要ですが、券売機を利用した非接触での会計は、清潔な環境を保つうえで有効な手段となります。
また、キャッシュレス決済に対応している券売機であれば、現金そのものを介さずに支払いが完結します。
人的ミスや不正を防ぎやすい
会計を自動化することで、釣り銭の渡し間違いや入力の誤りといった人的ミスを減らせます。また、売上データを管理できるタイプの券売機であれば、取引がシステム上に正確に記録されるため、会計処理の透明性が高まり、不正防止にも役立ちます。
特に複数のスタッフがシフトに入る店舗では、レジの扱いに差が出やすいものですが、券売機を導入すれば一律で正確な処理が可能になります。
券売機を導入するデメリット
券売機の導入にあたっては、運用上の課題や顧客体験への影響も考慮する必要があります。ここでは、あらかじめ押さえておきたい券売機のデメリットを紹介します。
顧客とのコミュニケーションが減少する
会計や注文を券売機で完結できる一方で、スタッフと顧客が直接言葉を交わす機会は少なくなります。接客を強みにしている店舗では「人の温かみを感じにくい」といった印象を持たれる可能性もあります。
ただし、会計業務から解放されたスタッフがホールでの声掛けや料理提供に注力できるようになれば、むしろサービスの質を高めることも可能です。
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ピーク時に混雑が発生しやすい
券売機は1台につき1人ずつしか操作できないため、ランチタイムやイベント時などには券売機前に行列ができてしまう場合があります。特に多様なメニューを扱う店舗では、選択に時間がかかり回転が滞ることもあります。
この課題に対しては、「券売機の台数を増やす」、「タッチパネルでメニューを見やすくする」、「キャッシュレス決済を導入してスピードを上げる」などの工夫で改善できます。
追加注文を受けにくい
券売機は原則として「最初にまとめて注文をする」仕組みのため、食事中にドリンクやデザートを追加注文してもらいにくいという側面があります。結果的に客単価を伸ばしにくいと感じる店舗も出てくるかもしれません。
一方で、「卓上から追加注文できるタイプ」や「QRコードを読み込んで追加購入ができるタイプ」などの機能を備えた高機能な券売機もあります。こうした機能を備えた機種を選んだり、店舗の運用方法を工夫したりすることで、追加注文につなげることは十分可能です。
券売機の活用シーン
券売機は、飲食店や交通機関、各種施設など幅広い分野で利用されています。ここでは、券売機の代表的な活用例を紹介します。
飲食店の注文用券売機
飲食店は、券売機が最も広く活用されている場面です。なかでも、ラーメン店や定食屋では、入店時に食券を購入してから着席するスタイルが定着していると言っても過言ではありません。
券売機で会計を事前に済ませられるため、スタッフは調理や配膳といった業務に集中でき、店舗全体の回転率を高められます。さらに、キャッシュレス決済や多言語対応を備えた券売機を導入すれば、外国人観光客が多いエリアでもスムーズに利用してもらえるでしょう。
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駅での切符販売
鉄道駅の切符販売も、券売機が長年活用されてきた代表的な例です。利用者は行き先を選び、現金やICカードで支払うだけで切符を購入できます。
多くの人が短時間に利用するため、画面の見やすさや操作の分かりやすさが重視されます。近年ではキャッシュレス対応やQRチケットの発行など、利便性を高める進化も進んでいます。
施設のチケット・入場券の販売
映画館やテーマパーク、美術館などの施設でも、入場券の販売には券売機が活用されています。スタッフを介さずに購入できるため、行列を分散させて混雑を緩和できるのが大きなメリットです。
さらに、座席指定や複数枚の同時購入に対応したタッチパネル型の券売機であれば、利用者自身で操作でき、スタッフの負担も軽減できます。
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券売機の選び方のポイント
券売機を選ぶ際は、ただ価格や見た目で決めるのではなく、実際の利用シーンや運営のしやすさを踏まえて検討することが大切です。ここでは導入前にチェックしておきたい主なポイントを紹介します。
支払い方法への対応
いまや多くの人がキャッシュレス決済を日常的に利用しており、現金しか使えない券売機では「不便」と感じられ、利用を敬遠される可能性もあります。
そのため、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、多様な支払い方法に対応できるかどうかは重要なポイントとなります。また、2024年に変更された新紙幣の対応機種を選ぶことも、必須条件と言えるでしょう。
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高額紙幣の対応
飲食店ではランチなど低価格帯の利用が多い一方で、実際には1万円札で支払うお客様も少なくありません。そのため、高額紙幣に対応していないと、両替をお願いしたり、利用を断念されたりするケースが出てしまいます。
とくに客単価が高い店舗では、高額紙幣で支払うお客様も多くなります。そのため、1,000円札のみ対応の機種よりも、5,000円札や1万円札に対応した機種を選ぶことが顧客満足度を高めるポイントとなります。
設置性・運用性
店舗によっては設置スペースが限られており、大型の券売機を置けない場合もあります。そのような場合は、卓上型や省スペース設計のモデルを選ぶとよいでしょう。
さらに、運営の観点では「メニュー変更のしやすさ」も重要です。ボタン式券売機では、メニューごとのラベルを新しく作成し貼り替える必要があり、変更のたびに手間がかかります。
一方でタッチパネル式なら、データを修正するだけで表示を切り替えられるため、季節限定メニューや価格改定にも柔軟に対応できます。
多言語対応
訪日外国人客が増える中、英語や中国語など多言語に対応しているかどうかは、店舗の集客力や顧客満足度を左右します。
外国人利用者が安心して操作できれば、注文のミスを減らすだけでなく、店舗の信頼感も高まります。観光地や都市部での導入を検討する際には、必ずチェックしておきたい機能です。
アフターサービスの充実度
券売機は長く使う設備だからこそ、導入後のサポート体制も重要です。そのため、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
- 故障や不具合にすぐ対応してもらえるか
- 定期的なメンテナンスに対応してもらえるか
- リモートサポートが用意されているか
アフターサービスが整っていれば、万が一のトラブル時にも迅速に対応してもらえるため、店舗側は不安を抱えることなく運営を続けられます。安心して日々の業務に専念するためにも、サポート体制の充実度は必ず確認しておきましょう。
券売機導入に活用できる補助金
券売機の導入には数十万円から数百万円の費用がかかるため、補助金を上手に活用することで初期投資の負担を軽減できます。ここでは代表的な2つの制度を紹介します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や生産性向上のためにITツールを導入する際に活用できる制度です。
券売機も対象となる場合がありますが、すべての機種が補助対象になるわけではありません。補助を受けるためには、導入する券売機が「IT導入支援事業者を通じて登録されたITツール」であることが条件となります。
特に「インボイス対応類型」では、会計や決済などと連動するハードウェアとして券売機が補助対象に含まれます。
なお、補助率や対象条件は年度ごとに変更される可能性があるため、導入を検討する際は、最新の公募要領を確認してください。
関連記事>>「IT導入補助金」でPOSレジを導入!最大370万円の補助金を活用する方法
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や業務効率化を目的とした設備導入を支援する制度です。券売機のように注文や会計を自動化できる機器も対象となるため、導入コストを抑える手段として活用できます。
申請方法には、登録された製品を選んで導入する「カタログ型」と、柔軟な設備投資に対応する「一般型」があり、いずれも省人化や効率化に寄与することを示す計画が必要です。
IT導入補助金と同じく、補助要件や条件は年度ごとに変わるため、検討時には最新の公募情報をご確認ください。
関連記事>>2025年最新 店舗開業補助金|個人事業主が使える助成金7選と申請手順
券売機の導入手順
券売機の導入は、ただ購入するだけでなく、現場に合った機種選びや運用準備を丁寧に進めることが大切です。ここでは一般的な導入の流れを紹介します。
①業者によるヒアリング・現地確認
まずは業者が店舗の規模や客層、設置場所の条件などを確認します。この段階でニーズを正確に伝えることで、最適な機種や設置プランを提案してもらえます。
②見積もり
次に見積もりを取ります。本体価格だけでなく、設置工事費やオプション機能、保守契約の有無まで含めて確認しましょう。複数の業者に依頼して比較することで、条件の違いを把握しやすくなります。
③機器の決定・契約
見積もり内容や必要な機能を踏まえて機種を決定し、契約を結びます。補助金を活用する場合は、この段階で申請スケジュールや要件を確認しておくことが重要です。
④設置・初期設定
契約後は業者が券売機を設置し、メニューや価格の登録、支払い方法の設定を行います。運用に合わせたカスタマイズが必要な場合は、この段階で調整します。スタッフへの操作説明を受けておくと安心です。
⑤運用開始
設置と設定が完了したら、いよいよ運用開始です。稼働初期は操作に不慣れなスタッフや利用者が戸惑うこともあるため、業務フローをあらかじめ整理しておくとスムーズです。導入後に気づいた改善点は適宜調整しながら活用していきましょう。
このように、導入にはいくつかの段階があり、それぞれのステップで確認すべきポイントがあります。計画的に進めることで、トラブルを防ぎ、安心して運用を始められます。
まとめ
券売機は、注文や会計を自動化することで店舗運営を効率化し、人手不足の解消やサービス品質の向上に大きく役立つ設備です。
一方で、顧客とのコミュニケーション機会が減る、追加注文を受けにくいといったデメリットもあるため、導入前にメリットと課題をしっかり理解しておくことが大切です。
導入は大きな投資となりますが、正しい手順を踏めば長期的な業務改善につながります。券売機の導入を検討している方は、まずは設置スペースや支払い方法の対応など基本条件を把握し、複数の業者に相談してみましょう。
TTG-MONSTARは1台で「券売機」「セルフ後会計レジ」「セミセルフ・セルフレジ」の3役をこなす多機能型セルフレジです。
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